オーガニックコットンは栽培する人に優しい
Tシャツなど我々が普段、着ている洋服の多くはコットン(綿)が使われています。綿の生産に適した土地は、雨が少なく乾燥して、日照時間が長く、人件費が低い地域です。日本のように高温多湿な国は適していません。収穫量が低く、人件費は高くて採算が合わないこともあり、日本では、綿花栽培は発達しませんでした。
優雅で使っているコットンはインドのインドールやタンザニアのメアトウという地域で作られています。
インドールから車で2、3時間走った農地では広大なコットン畑が広がり、地平線までも見渡せるのどかな場所です。
現地では15年くらい前には、普通の綿花作り、つまり農薬を使った農業が主流でした。
イギリスなどの綿花を買っていた国が、その方が効率的だし、農薬や化学肥料も売れて儲かるからと、現地の農場主を巻き込み、農家の人達にそう指導していたのです。
しかし農家の人は農薬や化学薬品を買わなければなりません。もちろん農家の人達には、そんなお金がないですから借金をして買うわけです。
そうして買わされた農薬を使っていましたが、器官支系や呼吸器系の病気になる人がたくさんでてきました。中には働き手の中心であるご主人がそれらの病気で亡くなってしまい、仕方なく働きに出た奥さんも病気になってしまうという家庭もありました。
働けなくなった夫を持った妻は子育てをしながら農作業を行うという悲劇的な状況になります。
一見のどかに見える農村風景ですが、一歩農民の人たちの立場に立ってみると絶望的な苦しい現実を知らされます。
そこでスイスのリーメイ社がCOOPとともに、オーガニックコットンという農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培を提唱しました。
一般の綿花農場の農民がひとたび有機農業に転換すると、化学肥料をはじめとする農薬を仕入れることはなくなります。その代わりに堆肥作りに励みます。生えてくる雑草をむしり、土を混ぜ合わせて空気を入れ、牛の糞や野菜くずなどの堆肥を混ぜて栄養を付けます。楽な作業ではありません。しかし身の回りのものを使うので借金と言うマイナスのスタートではありません。
綿花における有機農業指導員のアドバイスを受けながら害虫対策、除草対策を進め、秋になり収穫します。綿花を一つ一つ手で摘んでゆくのです。
このオーガニック・プロジェクトは、一般の綿花相場の最低でも20%上乗せの支援価格で買い取ります。農民の人たちは、借金していませんので、まるまる収入になります。農薬の害もなく、晴れ晴れと元気に収入を得た家族の生活は一変します。家を直し、服を買い、牛を飼って、子供たちに新鮮なミルクを与え、やがて学校に通わせられるようになります。日本人の生活から見たらまだまだ足りているとは言えないかもしれませんが、数年で農業指導員になった人々は希望と誇りに満ちた様子で働いています。今では1500軒から2000軒の農家がオーガニックコットンを作っています。
このようにオーガニックコットンは、栽培する人にも優しいコットンなのです。





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