大田堯 東大名誉教授による ”人間を育てる子育て” 講演会
10月25日、神奈川県鎌倉市にある商工会議所で、ピヨピヨ保育園主催、大田堯(おおた たかし)先生による「子育て講演会」がひらかれた。大田堯先生は東京大学名誉教授であり、日本子供を守る会名誉会長でもある。著書も「教育とは何か」(岩波新書)他、数々あります。
ピヨピヨ保育園は今年で創立40周年を迎える鎌倉市由比ケ浜にある保育園である。テラパパも実際に1歳10ヶ月になる娘を預かっていただいているが、自然保育を中心に、とても心のこもった保育をしてくれる保育園である。
日頃、ピヨピヨ保育園での子育てに教わることが多い父親として、園お薦めの大田先生が、いったいどんな子育て教育論を話してくれるか楽しみである。
保育園の園児達の合掌の後、大田先生が登場した。そして90歳の高齢とは思えない程、しっかりとした話し方で、上手にお話をしてくれた。
大田先生曰く、子育てはアートである。とても繊細でデリケートな物であり、子供は1人ひとりが違い、正解のような王道があるわけでもない。
そんな子育てをおこなう上で、生命の3つの特徴を知ると良いと言います。その生命の特徴を大田先生の話に沿って、順に記すことにします。
1)違いを認め合った新鮮な絆
子供は、そのひとり1人が性格も気性も体力も違います。そして、子供と親も違うということを理解しなくてはなりません。
つまり、子供は親の思い通りにならないということです。その違いを受け入れることで、親が子供と共に育つのです。(確かに記者自身も子育てによって学ぶことが多く、自分自身も人として育っているような気がする。)
大田先生によると、1989年に「子供権利条約」という国際条約が結ばれています。この「子供権利条約」は大人と子供の間の壁を無くすという趣旨で作られたそうです。
「現代の子供の不幸は、大人と子供が一緒に何かをする出番を失っていることである。1人1人の子にとって最善のサービスを大人はしなければならない」と大田先生は言います。
2)生き物は自ら変わる
子供の学習とは、新しい情報によって日々、変わって行くそうです。だから親は子供に色々な情報を与えてあげるのが良いそうです。
先生曰く「教育とは、自分流に自ら変わろうとする力を手助けしてあげる」ことだそうです。
そして、「本当の学習とは、10年後に学んだことが身に付いているか,いないかで分かる」
つまりいくら受験勉強しても試験が終わってしまうと忘れてしまうようなのは、本当の学習ではないのです。
3)関わる
人というのは、自己中心なのに他の生き物と関わらずには生きていけない生き物です。例えば、他の生き物を食べていかないと人は生きていけません。
そして人は「人との関わりの中で、自分がどういう人間なのか、自分の持ち味は何なのかを見つけていく」そうです。
特に思春期は親から自立する時期であり、親の庇護から離れて巣立つ時期だそうです。
この時期に「自分とは何かを知る」のです。自分というのはどういう人間なのか?恋愛や友人関係からわかるのです。つまり、友達や恋人との遊びの中から自分を見いだしていくのす。
人間関係が希薄になった現代でこそ、そうした命と命の絆が大事であり、そうした絆こそがマネー本位となった現代の社会の中でも,自分の生き方を考え、社会的基盤をつくっていくと大田先生は言います。
つまり密度の濃い人との関わりこそが、人が成長していくのに重要なことだということです。そして「遊び」という行為が、人が人間になる為に最も大切なことだそうです。
先生は最後に現在、叫ばれている世界的な危機についても、自らの周りの人間関係を大切にすることが大事だとおっしゃってました。
隣に誰が住んでいるかも知らない状態で危機が起こると、それこそ大変なことになるだろうと。
大田先生の話は分かりやすく、子育てを行なう父親として、大変、勉強になりました。子育てについてだけではなく、自分自身の生き方にとっても参考となる情報を聞けたと思います。







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